9/8 検査 2:ドーピング?
b0070814_1953969.gif昨日採集した尿を持って発作時から数えて2回目の検査に向かう。尿を容器に移し替えた時、1/50とはいえ妙に少ないのが気になった。「腎臓・高血圧内科」の方で『ユリンメート P』を返して検査室に向かう。2回目だからやり方はわかる。でも尿が出ない。実はその日は下痢ぎみで、病院に着いてからも我慢できずにトイレに行ったばかりだったのだ。

ここの尿検査の男性用トイレは、小便の便器が3つ並んでいるだけで個室がない。まさか監視カメラまで付いていないだろうが、ドーピング検査の不正をチェックするような感じ(やったことないけど)で落ち着かない。女性用を使うわけにもいかないし……。そこで別の個室付きの普通のトイレへ行って、くそと一緒にひねり出すことにした(キタナイね 今回は)。

採集用のカップを持って別の場所に移動するのは何か後ろめたい。一応これも不正なのかな、まるで本当にドーピング検査をごまかしているような気分になってきた。でも自分の大事な検査に他人の尿を使ったり、水で薄めるバカはいないでしょう。見つかっても恥じることはない。……と開き直ってはみたもののトイレに誰もいないところを見計らって、ようやく少量の尿をゲット!

こんなふうに2度目の検査は終わったがこれで2,670円、国保30%負担でだ。内訳を見たが変なもんだね。検査や注射や投薬や処置・手術が別枠で処方箋料なんてのもある。診察料なんてこれがなければ220円で済むのに、トッピングトッピングで料金が増えていくシステムなのだ。
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# by assy109 | 2004-12-03 17:41
9/7 尿採集:初めての尿採集
いよいよ24時間尿採集の初体験。先生が筋トレの影響がない日を設定してくれた。今日24時間採集した尿を明日検査に持っていくのだ。そしてその場で尿と血液を新たに採取して、このふたつが検査資料になる。

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これが例の尿採集器。住友ベークライト社製の「24時間尿比例採集器」製品名を『ユリンメート P』という。尿のことを英語でユリン(urine)ということを初めて知った。こんな言葉、使う機会ないもんね。ピー(pee)という俗語は知ってたけど。とするとこの機具は「おしっこの相棒」という意味か。最後のPはやっぱりpeeから来てるんだろうな。何ともオシャレな名前じゃないか、ぷぷぷッ。

24時間採集といっても全部持って行くわけじゃない。多い人では2リットル以上になるからね。これじゃまるでペットボトルのお茶。この『ユリンメート P』を使うと正確にその1/50を採集できる。そしてそれを左の容器に入れて持って行くわけだ。使用法は簡単。上の蓋を取って尿を入れると中の管に1/50の量が入り込む。左下のコックをひねればそれが下に落ちる。コックを戻して残った尿を捨てる。これだけ。この大きさで足りるのか?と思うが、意外に入る。でも1回、かなり我慢してから入れたらあふれそうになったから、採集の日はあまり我慢しないように。

採集はまずこれに入れずに便器に放尿、膀胱を空にしてからスタート。次の日の同じ時間までの24時間、全部この中に排尿するのだ。外で出したらダメ。会社員はつらいね、休みの日にしないと。
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# by assy109 | 2004-12-02 19:00
9/4 診察 1:常識って、常識?
待ち遠しかった初めての専門医の診察日だ。この日までに色々なサイトや本で頭でっかちになっているため、聞きたいことは山ほどある。と言っても本やWebにうそは書いてないだろうから、それが正しいことを確認するだけなんだが……。

b0070814_215975.jpg前回担当が違ったために予約ができなかったので、また少し待ったが気にならない。気にしていたことはどんな先生かということ。これから一生診てもらうかもしれない先生が、よくいる人の話を全然聞かないやつだったり、やたら威張っている丁寧な言葉も知らないやつだったり、説明も満足にしなくて自分の考えを一方的に押し付けるやつだったら病院を代えるしかないからだ。結果は──良かった。それどころかこんなに人当たりが良い先生は初めてだ。やっぱり担当する病気が関係するのか、単にお人柄なのか、まあ両方なんだろうな。名前を紹介したいくらいだが、迷惑になるから止めておこう。

診療はまず病気の宣告。痛風です。わかってはいたが改めて言われると嫌なもんだね。次に検査結果。典型的だ、尿酸値が8.8mg/dlもある。先生がおっしゃるには発作時は少し値が下がるから、9.0を超えていたかもしれないということだ。普通の人が7.0mg/dl以下だからもう薬で下げるしかないレベルだ。これも予想はしていたが、数字を挙げられると説得力がある。ギャフンという感じ。

次にやらなければならないのは、病気のタイプを調べることだ。高尿酸血症にはふたつのタイプがある。体内で尿酸を作る量が多い「生産過剰型」と尿や便で体外に排泄する量が少ない「排泄低下型」だ。体内は血液、体外は尿で調べることができる。その尿をさらに詳しく調べるために24時間で排泄される尿を調べることになった。24時間監視されるのかと一瞬不安になるが、尿を溜める機材を貸してくれて自宅で採集すれば良いらしい。よくわからなかったが一応安心。

これで診察は終わり。でもこれでは帰れない。次の診察は2週間後だ、聞きたいことを聞いておかねば。とりあえず食事のことを聞く。「こんなものがいけないって書いてあったんですけど……」──先生曰く「ああそれね。いけないことはいけないんだけど、食べ過ぎなければいいですよ」。「筋トレはやっぱりダメですよね」──先生曰く「やってもかまいませんよ」。????本に書いてあったことと違うじゃないか。ひょっとしてサジを投げてない?

先生がおっしゃるには、今は食事のことは量に気を付けるだけで、あまり細かく言わないらしい。食事以外の要因の方がはるかに多いからだ。筋トレも毎日やるスポーツ選手並みのトレーニングなら問題だが、私たちレベルの週2〜3回なら問題ないらしい。聞いて良かった。業界(?)の常識と思っていたことは専門家に言わせると違うようだぞ。ドクターストップの宣告を受けに来たのに、思い掛けないOKのお墨付きをいただいてしまった。痛風になってから初めて気分が良いぞ。もう先生のおっしゃることすべて聞きます。何でも言ってください !!

でも帰る前に一言「ビールは控えた方がいいですよ」──やっぱりオチはありました。
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# by assy109 | 2004-12-01 20:03
9/1 生活制限:生活習慣病の宿命
痛風・高尿酸血症は生活習慣病。だから改善するためには、今まで自由にしてきた生活に様々な制限が必要になってくる。こういう“制限”というのが嫌なんだよな。

生活制限は大きく分けると食事、運動、その他というわけで、他の成人病とあまり変わらないかもしれない。しかし常識的にこれは悪いだろうというものとは微妙に違うのが厄介だ。食事で一番特徴的なのは“プリン体”というやつだ。これは一般的な食事の悪役、コレステロールや脂肪とはあまり共通点がないのかな。けっこう魚介類に多いようだ。そしてアルコールの取り過ぎ。とくにプリン体の多いビールは御法度。飲食関係はまた後で説明します。そして適度な運動が必要。糖尿病でもそうだが肥満に多い病気だから、減量することはとにかくいいことらしい。しかしここにもただし書きがあって激しい運動は尿酸値が上がるのでダメ。そしてストレスを溜めないようにリラックスした生活をしろ。──と、まあ簡単に言えばこんなところだが。できるか?こんなこと。

くそまじめに考えたら野菜や牛乳、卵、穀物しか食べれない。まあ栄養的には充分だろうが……。そしてビールが飲めない。これ私にはけっこうつらい。アル中というわけじゃないが、夕食時のビールは1日のリズムを作る大切なものだったからだ。同じ習慣の人は理解できると思うが、まずおかずをつまみにビールを飲んで最後にごはんでしめるという食事のリズムと、1日の最後にビールを飲んでリラックスという生活のリズム。このふたつが同時に壊れてしまう。これでストレスが溜まったら意味ないだろう。それに今年の夏は暑い。ビールがどうしても飲みたくなる。

ストレスを溜めないというのも、よほどいい加減に生きてるやつでないと無理なんじゃないか?でも私にとってはこの制限の中で一番困ったことは適度な有酸素運動は奨励されているが、逆に激しい運動をしてはいけないということだ。筋力トレーニングはいけないとどこにでも書いてある。私は太っていないから有酸素運動を積極的にする必要はないが、筋トレがダメだったとは……。一般の人には変な話かもしれないが、これは趣味の世界だから。ここ最近筋トレにはまっていて、特に今は自分で設定した目標達成寸前。もう少しb0070814_18263466.gifだけどうしても続けたい。こんなところで止めなければならないというストレスは、ビールよりも大きいかもしれない。

あれもダメ、これもダメ。──公平な目で見ても私は平均的な同年代の男より自由に生きていると思う。引き替えにしたものはあったが……。でも神はいるんだな……。これはそんな人間への神の鉄槌なのかと本気で考えてしまった。一瞬だけどね。
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# by assy109 | 2004-11-30 21:44
8/30 尿酸:これがすべての原因
すべての元凶は尿酸というやつ。肌に良いのは尿素、これとは違う。尿酸という名前がまぎらわしいんだな。やがて尿から排出されるには違いないが、普段は血液中に溶けているエネルギーの燃えかすだ。それが血液中濃度7mg/dlを超えると結晶化(尿酸塩)し関節や腎臓に蓄積する。そして8.5mg/dlを超えると関節部分で炎症を起こす恐れが出てくる。これが痛風発作というわけだ。
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上図が尿酸が生産されてから排出されるまでを描いたイラスト。この尿酸の生産をなるべく抑えて、排出までの流れをスムーズにしてやれば痛風にはならないはずだ。その要因を取り除くのが治療の第一段階。それでだめなら薬物治療ということになる。

生産は食べ物、飲み物からが約1/7。それ以外の6/7は体の中で直接生産される。この値を上げるものはストレス、激しい運動、太り過ぎ、食べ過ぎ。そしてプリン体の多い食事等。排出を妨げるものは水分の摂取が足りない状態と尿をアルカリ化できない状態、そしてアルコール等。こういうことになっている。わかりやすい。でも治療は難しい。なぜか?──それは次回
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# by assy109 | 2004-11-29 19:44
8/29 痛風日記 1:性格が出てます
b0070814_0592421.gifさて、これまで発作時のことを書いてきたが、実はまだこの時点では痛風の知識はほとんどなかった。兄が痛風のため、プリン体のことや薬や放置しておくと内臓に害が及ぶことぐらいは知っていたが、詳しいことはわからない。病院でも手取り足取り教えてくれないだろう。それに自分の病気のことぐらいある程度知っておくのは病人の義務だと思う。だまされないためにもね。

ということでまたまたネットで調べるわけだが、医者や薬の専門知識のサイトに混じってかなりの数、検索に引っ掛かってくるものがある。それが患者自身の体験談、痛風日記なのだ。タイトルは様々だが、これがけっこうおもしろい。調べものもそっちのけでこんなものばかり読んでしまった。で、読んでいるうちに奇妙な合致点が多いことに気がついた。う〜ん、これは痛風占いでもあれば受けるかな?とも思ったが、こういう人たちは(私も含めて)占いなんて気にしないタイプなんだろうな。

一言で言えば痛風日記というものは、「怠惰」と「チャレンジ」の記録なのだ。まあ痛風という病気の特性で、毎日劇的な変化があるわけじゃない。それにしても日記というのに日にちが空き過ぎてるぞ。そしてやってることが怠慢。だからだいたい肥満体。でもあまりダイエットも興味がないのか、効果がない。もちろんよく食べる。それも珍味、内臓系のものを。痛風に悪いことは知っていながら、大丈夫だろうと挑戦してみる。そして当然発作。それも徐々に重症になっていくようだ。だいたいこんな感じ。統計を取ってみるとO型が多いんじゃないかな?

かく言う私もこの例にもれず、典型的なO型気質。太っていないだけでそれ以外はほとんど同じ。仕事以外はぐーたらで、たぶん今の痛みが完全に消えてしまえば、ビールや内臓にまたチャレンジするんだろうな、と今からでも想像できる。

痛風の患者が皆こんな日記を公表しているわけじゃないから、こういう人たちは公表したがるという新たな要素が加わるわけで、痛風患者をひとまとめにするのはたしかに乱暴な話なのだが、けっこう好きだよこういうタイプの人たちは。あまり悩まずにあっけらかんと病気と付き合っている。私もそんな態度を見習おう。どうせ一生ものの病気だ。「しゃーないやんけ」と開き直ってこの日記を書くことにしたのです。
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# by assy109 | 2004-11-28 23:44
8/25 薬品 1:最初は痛み止め
次は昨日の薬について。

処方箋を持ってなるべく近い薬局に飛び込み薬を手に入れる。空腹では飲まないほうが良いと先生は言っていたが、薬剤師の勧めもあったのでその場で1錠服用。即効のはずもなく帰宅したというわけだ。
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薬は全部で4種類。左から飲薬のロキソニン、ケルナックカプセル、湿布のモーラス、そしてボルタレンサポ、これは座薬だ。これらはすべて痛み止めの薬(対症療法薬)で、痛風を根本的に治すもの(原因療法薬)ではない。それぞれの効能を挙げると、ロキソニンは痛みをやわらげる薬。ケルナックはロキソニンで荒れた胃の粘膜を修復する。モーラスはそのまま痛い所に直接貼る貼薬。座薬のボルタレンサポは痛みをすぐに抑えたい時に使用するらしいが、ケツの穴バージンの私はどうも使う気になれなくて、未だに全部冷蔵庫に眠っている。それにこれはウンコが半分出かかったような、不思議な使用感があるらしい。全然理解できないが……。

ところでここまで言われる通りにやってきたが、私は医師や薬剤師の言うことを鵜呑みにはしないことにしている。それは他の病気で自分自身が病院をいくつも廻ったことや、父親をほとんど医療ミスという形で亡くしている経験からだ。

次の日(つまり今日)早速昨日の担当医のプロフィールをネットで調べた。それで彼が痛風ではなく、やはり高血圧の専門だということがわかったわけだ。そしてその処方された薬のことや、さらに痛風治療のことも調べた。するとこの4種類の薬は最初に発作が現れた時に、ほぼ間違いなく処方される薬だということがわかった。つまり「痛み止め基本コース」「痛風発作対処キット」とでも言うべきお薬セットだったのだ。

そして激痛が治まった冷静な頭で、昨日の病院の対応について考えてみた。一瞬カチンと来たがあれはあれで適切なものだったんだろう。つまり激痛があるその時は、痛風についてあれこれ説明しても患者側にその余裕はない。それにまだ検査の結果が出ていないのだから判断も難しい。だから痛み止めセットを処方して痛みだけを抑え検査の結果を待つ、という診断なんだろう。合理的だ。妙な薬を出されるよりはずっといい。こういう診断なら専門医でも専門外でも関係ないから、逆に手慣れたものと言って良いかもしれない。もっと説明は欲しかったが、それは医師個人の問題だ。

とにかく1日経つとだいぶ痛みも治まってきたようだ。次の通院は1週間後以降。検査の結果をふまえた上での本格的な治療になるらしい。今度は専門医が。
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# by assy109 | 2004-11-28 20:09
8/24 初診:誰か助けてください
b0070814_19512065.jpg朝6時半。もうがまんできない。診察は8時からだがとりあえず病院へ行ってみようと思い、サンダルを履いて外に出る。エレベーターを出ると、タクシーが走る大通りまではわずか20m弱。またまた甘かった。その20mの長いこと……。焦って変な歩き方をしてまた激痛! が、玄関先で途方に暮れている目の前に滑り込んできたのは、朝帰りの女性を乗せた一台のタクシー。「今日はついてるかも!」と思ったがその日のツキはこれで終わりだった。

7時過ぎには慈恵医大病院に着いた。玄関ギリギリまで乗り付けてタクシーを降りると、入口にいた(ドアマンのはずはない、ガードマン?)男性が親切に手を貸そうとしてくれる。これは不祥事があった直後だからというわけでもないだろう。それにあれは確か柏の病院だし。タクシーの運転手もそうだが病人には親切だ。日本も捨てたものじゃない。

受付のあるロビーに入り、初診の書類に記入し8時を待つ。不思議なもので家でジッとしているのと違い、ここでは少し興奮しているのか痛みが少ないようだ。アドレナリンだかドーパミンだかの出方が違うんだろう。そして8時ちょっと前に受付開始。何と、苦行はそこから始まった。何でやっとたどり着いたと思った病院でこんなに苦しむの?

この病院は痛風患者には辛い。施設の間が離れ過ぎているのだ。受付からエスカレーターの間もそうだが、2階の腎臓高血圧内科から検尿・採血所まではちょうど反対側。ぐるっと半周しなければならない。さらに、検尿を考えていなくて家で出してきてしまったために尿が出ない。だから水をがぶ飲みするために、ウォータークーラーまでまた歩く。健康な時なら何ともないことだが、そもそも健康ならここには来ない。もう半泣き状態、やけになって歩いていた。看護師(看護婦)さんも「痛いですか?大変ですね」と言っているくせに松葉杖も貸してくれない。痛風は痛いだけで骨に異常があるわけじゃないとわかっているからだろうが、ひょっとしたらもう2度とこんなことにならないように、こらしめる意味があるのかもしれない。

そして検査を終えていよいよ診察。このために来たんだよ今日は。早く痛みを抑えてくれ〜。初診だから待たされる。それはしかたない。でもその後通された診察室の先生は、なぜか痛風じゃなくて高血圧の専門だった。この医者の診察の仕方はここでは関係ないので省くが、何で専門の医師ではないのか不満を感じた(この疑問は後日晴れる)。簡単な診察と痛み止めの処方で6,580円。さらに薬局で薬を買わなければならない。厄介な病気になってしまったなととぼとぼ歩いて……いやとぼとぼ歩くことさえできない。タクシーで帰宅。その日は仕事は休み。薬を飲んで寝る。
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# by assy109 | 2004-11-27 22:29
2004/8/23 発作 1:それは突然やってくる
昨日は導入部。さあここからが本編です。まず初めは“発作”。発症ではなく、発作と言う。喘息や心臓病と同じだ。つまりすでに“高尿酸血症”という病気にかかっていて、その目に見える症状が痛風ということなのだ。

初めてこの発作が起こった時、ほとんどの人は関節痛と思うらしい。そりゃ関節が痛むんだから。それでまず行くのが整形外科。とりあえず痛みを抑えるためにはそれでも正解かもしれない。まともな整形外科なら痛風と診断して、痛み止めと共に専門医を紹介してくれる。私の場合は遺伝的にその“気”があるために、最初から専門医に行ったのだが……。

発作の兆しは朝、目が醒めた時にあった。右足の親指の付根に、何かゴキゴキと引っ掛かるような違和感があったのだ。それが昼過ぎから少し痛みだす。しかしその時点ではまだ昨日の運動の後の痛みぐらいにしか感じなかった。ところが夕方になるとその部分を床に付けて歩くのが辛くなってくる。

こうなると私の場合、もう痛風の確率は90%以上と判断。さっそくインターネットで専門医を探すことにした。一番近いのは慈恵医大病院の「腎臓・高血圧内科」。ここの診療部長は痛風では高名な細谷龍男先生で、ちょうど明日は診察日ということになっていた。「ついてるぞ」と思い、明日の朝一番(8時)に行くことにした。電車で1駅もないくらいの近さだから、歩いて行くか自転車にするつもりだった。患部は親指付根。足の中心から小指側で歩けば大丈夫だと思ったのだ。

b0070814_19485592.jpg──甘いよ、大アマ。痛風というものが全然わかっていなかった。激痛がやってきたのは夕食後だった。痛・風・ね、風が当っても痛い。確かに風が当っても痛いと思う、これは。その関節に1g、いや多分0.001gでも負荷かかると激痛が走るはず。ということは(想像してみてください)痛みを感じないで移動することは不可能だということ。地球には重力があることを再認識した。そして、足を宙に浮かせるだけでも、親指一本分の重さがその関節にかかるということを初めて知った。

だからソファに寝そべってじっとしているしかない。でも他のことは我慢できても、トイレにだけは行かなければならない。で、何度か移動するうちにあまり痛みを感じない歩き方を会得するのだが、それはとても不安定。何かのはずみでバランスをくずすと──そこには地獄が待っている。……激痛に耐えることたっぷり10分。もうその頃になると足全体が痛み、赤く腫れ上がる。何もしなくてもジンジンとした鈍痛はあるから当然寝られない。でも救急車を呼びたくはない。恥ずかしい。そんな種類の病気じゃないだろう。結局観たくもないオリンピックを夜通し観ながら、朝を待つことになったのだ──つづく
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# by assy109 | 2004-11-26 22:17
痛風と書いてゼイタクビョウと読む?
痛風は普通ツーフーとしか読めませんが、皆痛風と聞くと勝手にこう解釈してくれます。「あ〜、贅沢病ね。旨いものばかり食ってんだろ」。実は私、痛風になってしまいました。そして知りました。この病気が偏見に満ち満ちているということを。だからここで少し弁明をさせていただきたいのです。一人ひとりに説明するのは、もう面倒臭いんですよ。b0070814_0343930.gif




  これは痛風発作12時間後の
  マイ・ライト・フット。
  親指の付け根の関節に激痛が走り、
  それに伴い右足全体が赤く腫れ上がる。
  もうこの時点では一歩も歩けない。
  8月23日深夜、
  朝までオリンピックを観ながら撮影。
  (寝られないんだよ!!)




「痛風は旨いもんばかり食っている、運動不足の人間がなる病気」という常識。はっきり言って、あれは間違いです。まあ、完全な間違いとは言えませんが。確かに大昔、ミケランジェロやルイ14世(彼らも痛風だった)の時代はそうでした。普通の庶民は贅沢なものは食べられないし、裕福な人とは生活環境がまるで違う。戦時中や食料事情の悪い地域には少ないし、日本でも明治時代まで痛風はなかったらしい。私が子供の頃でもまだ一目でわかる貧乏な人(ホームレスではない)がかなりいたから、そういう時代の痛風なら「贅沢病」と言われてもしかたない、と思います。

しかし今、周囲を見てください。ステーキを食べたことのない人はいますか?和食でも洋食でも中華でも、美味い不味い、高い安いを別にすれば、大金持ちもそうでない人もほぼ同じものを食べています。もう日本人の食生活そのものが、昔で言えば“贅沢”に変わっているんです。だからこれは贅沢病と言うよりも、贅沢な時代の病気と言う方が正しいのでは?

食事のことをもう少し詳しく言うと、痛風に悪いのはプリン体というカワイイ名前の成分です。これは肉や魚の特に内臓や干物に多くて、必ずしも高価な食材に限りません(ちなみにプリンにもあまり入っていません)。そしてビール。アルコールは色々な意味で痛風には良くないのですが、ビールは他のものに比べるとプリン体の量も桁違い。そこで面白いことになります。チーズをつまみにワインを飲むよりも、煮干しや干物をつまみにビールを飲む方が痛風にはよくない。どちらが贅沢かは説明しなくてもわかるでしょう。

まあともかく、食事なんてものは痛風の要素としては全体の1/7くらいらしいです。だから今ではあまり病院でも強調していません。痛風とは簡単に言えば体内の“尿酸”の量が多い人(高尿酸血症という。今では40歳以上の男性の10人に1人らしい)が何かのきっかけで起きる“発作”。この尿酸を体内でうまく処理できない人が痛風になってしまうというわけです。で、その原因はというと、ストレスや肥満や運動等の生活習慣もありますが、やっぱり最終的には体質、これらしい。私の場合は兄も痛風、父親も関係がありそうな腎臓病だったから遺伝的な要因が強いのです。何でも親が痛風の男は(女性はホルモンの関係でなりにくい)80%の確率でなるそうです。

ということ。他の成人病と同じで太っている人の方が確率は高いから、これも痛風イコール贅沢というイメージを作りやすいんですが、私は体脂肪10%台の前半。こんな人間でもなってしまう。ストレスはどうしようもないし、そのストレスを少しでも抑えるためのアルコールや食事をがまんするというのも……。とにかく痛風が贅沢病というのは、この国に限って言えば30年前くらいまでの常識。現代では誰が、いつなってもおかしくない病気なのです。
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# by assy109 | 2004-11-25 22:07